歌人のパレット

先日、ドラクロア、ゴーギャン、ゴッホらが使用していたパレットを写真で見た。様々な色をパレットに並べていた画家もいれば、少ない色でやりくりしていた画家もいて、実際の絵画作品と比べてみたりした。 語彙を絵の具として、歌の世界…

「小島なお」ひとりについて

噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし 春風のなかの鳩らが呟けりサリンジャーは死んでしまった 二冊の歌集、『乱反射』(2007年)・『サリンジャーは死んでしまった』(2011年)から、歌集の題に採られた歌を引いた…

真に筒抜く ――書評:『永田和宏』

もう五年以上前のことだろうか。私が所属していた京大短歌会で「永田家は歌壇の磯野家である」ということを耳にしたことがある。歌人と短歌に囲まれた生活のなかで、互いの作品に登場し、生活の様子が筒抜けである様を「サザエさん」の磯…

歌に背丈を刻むとき

愛人でいいのとうたう歌手がいて言ってくれるじゃないと思う俵万智『サラダ記念日』 俵万智の短歌が登場する映画「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」(一九八八年)を観た。右の歌の作者という設定の女子大生が、「なんて歌手が歌って…