みづからが飛べざる高さを空と呼び夕陽のさきへ鳥もゆくのか
金貨のごときクロークの札受け取りぬトレンチコートを質草として
成分は木星にちかいときみが云ふ気球を丘の風に見てゐつ
プリンカップを逆さにしたりパンドラの匣のただしき開けかたとして
香煙を射抜く春雨 叶へたき願ひは棄てたき願ひにも似て
歌集について
2010年から2012年までの短歌から、総合誌や文芸誌に発表した作品を中心に128首を選び、電子書籍として一冊にまとめました。 新たに書き下ろした連作も収録しています。
書籍情報
- 装画:ありかわりか
- 装幀:宮島亜紀
- 出版:書肆侃侃房
- ISBN:978-4863852457
- 形式:紙版 および Amazon Kindleアプリ・端末向け 電子書籍
- 価格:紙版 2,052円(税込)/電子書籍版 1,000円(税込)
- 発行:紙版 2016年12月24日/電子書籍版 2017年1月30日
収録内容
- 月のむかう … 現代短歌新聞 2012-11
- 空と呼ぶ … うた新聞 2012-11
- きさらぎの質草 … 短歌 2013-3
- 山椒魚が飛んだ日 … 歌壇 2013-9
- Madagascar 2012 … 第十七回文学フリマ(東京)
- 石垣島 2013 … 第十七回文学フリマ(東京)
- 冠を正す … 白茅 3号 2014-1
- 其のひとを … GANYMEDE 60 2014-4
- 香煙を射抜く … 短歌 2014-6
- 無を煮込む … 現代短歌新聞 2014-7
- 其のひとは … 短歌研究 2014-10
- 石敢當をつきぬけて … 黒日傘 4号 2015-2
- トレミーの四十八色 … GANYMEDE 59 2013-9
- 古都のななとせ … 神楽岡歌会 一〇〇回記念誌 2015-3
- 0歳の質量 … GANYMEDE 62 2014-11
- 火炎焱燚菊 … 短歌 2015-1
- 鶴をつなぐ … 現代短歌 2015-6
- 言の羽を梳く/涙湖 … 短歌 2015-11
- 蝶と眼帯 … 短歌往来 2016-1
- 四角い波紋 … うた新聞 2016-1
- 外貨 … 現代短歌 2016-10
- 幡ヶ谷沃野 … 歌壇 2016-4
お買い求め
各種書店、および、Amazon 『山椒魚が飛んだ日』 にてご購入いただけます(Kindle版はこちら)。
書評など
〈総合誌・紙など〉
- 歌集・歌書探訪「歌集なドラマの効用と対策」 / 田中濯氏(「塔」塔短歌会 2017-9)
- しっかりと疲れる / 北山あさひ氏(「まひる野」まひる野会 2017-9)
- 〈書評〉光森裕樹歌集『山椒魚が飛んだ日』 / 田口綾子氏(「短歌」KADOKAWA 2017-7)
- 言葉の力とそれを邪魔するもの / 松井竜也氏(「COCOON」Issue 4 COCOONの会 2017-6)
- 「遊び」の妙味 / 月下桜氏(「灯船」第6号 2017-8)
- 『山椒魚が飛んだ日』 日常の場に及ぼす詩歌の力 / 俵万智氏(琉球新報 2017-4-30)
- Book Review欄 / 西橋美保氏(「短歌人」短歌人会 2017-5)
- 冷徹ゆえの熱さ / 野口あや子氏(「短歌往来」ながらみ書房 2017-5)
- 気になるホン・ほん・本 書評 / 大松達知氏(「コスモス」コスモス短歌会 2017-4)
- 作品季評(第102回・前半) / 大森静佳氏・寺井龍哉氏・穂村弘氏(「短歌研究」短歌研究社 2017-4)
- 〈書評〉光森裕樹歌集『山椒魚が飛んだ日』 / 佐佐木定綱氏(「現代短歌新聞」現代短歌社 2017-3)
〈インターネット〉
- 光森裕樹『山椒魚が飛んだ日』! / 小田桐夕氏(波と手紙)
- 史上初?!ウーパールーパーが登場するばかりか、タイトルにまでなっている短歌集! / ちょわ氏(本が好き!)
- 『山椒魚が飛んだ日』の感想 / 伊舎堂仁氏(note)
- 光森裕樹歌集 『山椒魚が飛んだ日』 / 松村正直氏(やさしい鮫日記)
- 第201回 光森裕樹『山椒魚が飛んだ日』 / 東郷雄二氏(橄欖追放)
- 短歌評 くるぶしまで短歌に埋まる――光森裕樹歌集『山椒魚が飛んだ日』を読む / 田中庸介氏(「詩客」短歌時評)
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