砂子屋書房の一首鑑賞コーナー「日々のクオリア」6月2日から7月7日までの掲載分です。生きることや死ぬことを詠んだ歌を集めてみました。
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検索窓と生きる
- (2) 6月の2日の朝に夏が来てあなたに会うので夏バテしそう 仲田有里
生きると死ぬ
- (1) 咳不意に出る心地してああぼくは一千年を生きねばならぬ 中澤系
- (2) 髪の毛をしきりにいじり空を見る 生まれたらもう傷ついていた 嵯峨直樹
- (3) ぼくは流す/やさしいオンガク空のほう/人生のリセットボタンをおすとき 今橋愛
- (4) 死んだつてひとりぼつちだ生きたつてひとりぼつちだ世界は馬鹿だ 森本平
- (5) 鋪装厚き道にて人は行き交へり豊かに生まれうまれ継ぎつつ 小野茂樹
- (6) 人間の生まれる前は人間の生まれる確率0だつた星 香川ヒサ
- (7) 予定日は桜桃忌にて霧深しわが子の晩年をなつかしむ 大口玲子
- (8) はい、あたし生まれ変わったら君になりたいくらいに君が好きです。 岡崎裕美子
- (9) 下じきをくにゃりくにゃりと鳴らしつつ前世の記憶よみがえる夜 小島なお
- (10) 銀行に銀の冷房臭みちて他人(ひと)の記憶のなかを生きをり 林和清
- (11) 違う世にあらば覇王となるはずの彼と僕とが観覧車にゐる 黒瀬珂瀾
- (12) このビルの完成予定のきょうまでになんか変わっているはずだった 脇川飛鳥
- (13) 卓のグラスに映れるわれら人生のこの一齣も劇的ならず 西田政史
- (14) いつか死ぬ点で気が合う二人なりバームクウヘン持って山へ行く 盛田志保子
- (15) さびしさに死ぬことなくて春の夜のぶらんこを漕ぐおとなの軀 内山晶太